(5月号) 元八王子中学校の校訓−校歌の精神−
校長 池田 芳子
どこの学校にも校訓とか創立や開校の精神というのがあるものです。学校によっては、校章にそれを表して校章の教えなどとしているところもあります。
こうした教えは私立学校では当然のことながら創立の精神、または創立者の教えとなっているところが多いものです。公立の学校では、地域の願いや開校当時の想いが受け継がれてきている場合が多いようです。
残念ながら、本校にそうした伝統が受け継がれているという話は着任以来聞いておりません。八王子で最も古い中学校の一つで、新制中学校開設と同時に設立されたので、開設当時は戦後の大変な時期でもあり、新制下の学校を、ということだけで精一杯だったのかもしれません。
しかし、学校開設に当たって必ず制定されるものに、校章と校歌があります。前述しましたように校章に学校の精神が込められる場合もあります。
校歌は、未来を担う生徒たちに託す将来への展望や、そこに学ぶ生徒たちの若々しさを讃えた内容が多いように思います。
改めて本校の校歌の歌詞をみると、本校では校歌が校訓になっています。
1番で「勤労 勤労 われらぞ進む」と勤労を、2番で「自主 自主 われらぞ励む」と自主を、3番で「誠実 誠実 われらぞ 尽くす」と誠実を歌いあげています。
60年間本校の生徒に歌い継がれてきた校歌こそが、本校の精神であり、校訓ではないのかと思います。
ところで、本校の正門を入ってすぐの右手に“自主の学舎”という石碑があります。その下には、10年前の開校50周年にタイムカプセルを埋めています。創立100周年の年に開けるように、と刻まれています。
この“自主の学舎”という「自主」と校歌の2番の「自主」がどのような関係にあるのか、着任以来気になって、本校の職員に聞きましたが、“自主の学舎”という由来も受け継がれいないことが分かりました。わずか10年の歳月のなのにと思いつつ、しかし、十年一昔とは人口に膾炙している通りだと、妙に納得もした次第です。
40年後にタイムカプセルを開ければ、私の疑問は解かれるかもしれません。しかし、40年も私は本校にいるわけにいかないでしょう。本校を去っても100周年に、それも無理です。40年後は、この世にいない確率の方が高いのですから。
10年前の経緯を是非教えていただきたい、とお願いいたします。
いずれにしろ、すばらしい教えを内包した、というより教えそのものの校歌です。
60周年を機に「勤勉・自主・誠実」を校歌の精神として元八王子中学校の「校訓」としたいと思っています。校訓とします。これこそが60年の伝統なのですから。
(4月号) 自分を知る −自分で自分の面倒をみよう−
校長 池田芳子
中学校の三年間は義務教育最後の三年間です。義務教育の義務は保護者が生徒を学校に通わせる義務であり、生徒の義務を言うのではありません。しかし、保護者の義務が終わるということは、生徒にとっても大きな意味があります。
保護者にとって一区切りであると同時に、生徒にとっても一区切りとなるのです。
それでは、生徒にとって、中学校を終えるとはどのような一区切りで、生徒はどのような中学校生活を送ればよいのでしょうか。
中学校で特に大切なことは、自分を知る、ということと、自分で自分の面倒を見られるようになる、ということです。
自分を知ることは、自分のよい面もよくない面も自分で認めることから始まります。それは、自分はこの程度でいい、と思うことではありません。本当に自分を知っている人は、自分のよい面を伸ばし、よくない面を改めようと努力します。
また、人にはそれぞれ得意なことと苦手なことがあります。自分を知る人は、自分の得意なことと苦手なことを認め、自分の得意なことを生かし、苦手なことともあきらめずに付き合います。そうすると苦手なことが得意になる場合もあるでしょうが、もって生まれた特性でなかなか得意にならないこともあります。そうした自分を認めることも自分を知るということです。
こうして自分のことを知ることは、自分で自分の面倒をみることにつながります。自分で自分の面倒をみる、とは言い換えると、自分で自分としっかり付き合い、どういうようにすればいいか、どういう人になりたいか、を自分で考え決めることができるようになることです。
それには,自分とよく話し合いをしてほしいです。何かをしようとするときに、よし頑張ろう、と思ったり、面倒だな、と思ったりします。そのように思っている自分を見つめているもう一人の自分がいます。 自分でこうしようと思ったことについて、もう一人の自分がそれでいいよ、と言ったり、もう一度考え直した方がいいのではないか、とささやいたりします。
こうした、もう一人の自分の声をきき、もう一人の自分とよく話し合うことが、よく考えることなのです。
このように考えながら物事をすすめるようになると、どのような行動を自分が行うことがいいのか、どのように学習に取り組むことがいいのかが分かってきます。そして、途中で投げ出すことなく生活や学習に取り組む人になることができます。
中学校生活で、自分を知り、自分で自分の面倒をみることができる生徒を育てたいと思っています。
ご家庭でも、中学校生活とその先にある子どもの人生のために何が必要なのかを考えて、お子様の真の支援者,応援者になってくださることを願っています。
※ 10月分はこちらです。
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